市民権と機関統制の重要訴訟、判決待ち
米連邦最高裁は、ドナルド・トランプ大統領の政策を大きく左右する二つの重要訴訟の判決を準備している。一つは憲法の出生市民権条項のもとで誰が米国市民と認められるかを問う訴訟。もう一つは大統領が独立した連邦機関をどの程度統制できるかを試す訴訟である。いずれの判決も数週間以内に下される見通し。
最高裁はすでに今期、画期的な判決をいくつか言い渡している。トランプ氏による全世界への関税を違憲とし、非常時権限法をこれまでとは異なる形で適用したことを否定した。また、投票権法を弱体化させ、少数派有権者が希望する候補者を選出するのを困難にした。トランプ氏はこれに対し、特定の判事を個人攻撃する異例の反応を示した。
最高裁、党派的な偏りを指摘される
保守派判事6人は全員が共和党大統領によって指名された。法律アナリストらは、投票権法事件や、不在者投票の期限や政党の政治資金制限に挑戦する共和党主導の訴訟など、政治プロセスに関わる判決は、最高裁が中立的な法原理よりも党派的政治に関心があるとの批判を強める可能性があると指摘する。
同時に、最高裁はトランプ氏の最も過激な行動に一定の制限を設ける姿勢も見せている。関税判決は、最高裁が大統領の越権行為を抑制できることを示した。たとえその大統領が判事を指名したのと同じ政党の出身であってもだ。
出生市民権訴訟、移民法を大きく変える可能性
出生市民権訴訟は今期最も注目される訴訟の一つである。これは、米国領土内で生まれたすべての者に市民権を認める憲法修正第14条の長年の解釈に挑戦するものだ。出生市民権を否定する判決が出れば、数十年ぶりの米移民法の大きな転換となり、数百万人に影響が及ぶ可能性がある。